African Rainbow Capital(ARC)が傘下に置く南アフリカのデジタルバンク、TymeBankは1億9,000万ドルを資金調達したと、このほど声明で明らかにした。この投資額は、アフリカ大陸のデジタルバンクによる調達最高額のひとつとして数えられ、ナイジェリアのKuda バンクが1,000万ドルの投資を受けたわずか数ヶ月後の出来事であった。 このスタートアップへの新たな投資は、Apis Partnersが運営するプライベート・エクイティ・ファンドApis Growth Fund IIと、フィリピン最大級コングロマリットの一つ、JG Summit Holdingsによるものである。「両者はいずれも新興市場の金融サービス業界で豊富な経験を有し、Apis Partnersは、成長段階の金融サービスと金融インフラ事業をサポートするプライベート・エクイティ・アセット・マネージャーである」とTymeBankは声明で述べている。

現時点、デジタルバンクの顧客数は280万人であるが、そこに毎月10万人以上の口座開設者が殺到し、2021年3月末までに300万人に達する見込みである。RubiesKudaのような銀行の顧客数がどれほどなのか詳らかではないが、TymeBankはアフリカで最も急成長しているデジタルバンクではなかろうか。

主なサービス提案として、振込手数料が無料であるだけでなく、従来の銀行手数料というものも一切チャージされないという点でTymeBankのビジネスモデルはKudaのそれと若干似通っているようだ。保険や貸付などのリテールバンキングといった分野へ進出することで、この自由な発想を基にした戦略を強固にするのだ。

すでに、同行は昨年、顧客に無担保融資を提供する計画を立てていたが、世界的なCOVID-19パンデミックの影響でそれは棚上げされてしまった。その一方で、今年2月、Pick n PayNWJの両パートナーと共にMoreTymeを立ち上げた。

MoreTymeは、欲しいものを見つけたらMoreTymeバウチャーで購入し、 30 ~ 60 日の支払期日内に決済されるという消費者向け金融商品である。

この新たな資金調達で、MoreTymeはさらに多くの分野に進出し、増収へつなげることを可能にするだろう。今回調達した投資額1億9000万ドルのうち、TymeBankはすでに3,400万ドルを受け取っており、残りの7,500万ドルが今後12~15ヶ月間以内に投入される予定である。