このほど、英国を拠点とするインシュアテック系スタートアップのYuLifeが、南アフリカ共和国で事業展開に乗り出した。
インシュアテックとは保険(Insurance)とテクノロジーをかけ合わせた造語で、保険業界におけるフィンテックを指す。YuLifeでは、企業向けに行動科学とゲームメカニクスの最新トレンドを活用した健康関連アプリを提供。福利厚生の一環として社員へ向けて積極的な生活改善を促すほか、健康増進活動による病気リスクの軽減・予防を推進する。
YuLifeアプリでは、ウォーキングや瞑想、サイクリングなどの運動を日々こなすことでアプリ専用通貨“YuCoin”が付与される。YuCoinを貯めると一流ブランドのファッションから、グルメ、データ、ガソリンなどのクーポンと交換可能。また、食料品の寄付や植樹、海の清掃など社会貢献活動などへの支援として使うこともできる。
健康的な生活を奨励することは、社員の離職率を下げ、生活水準を向上させるだけでなく、大切な人との安定した暮らしを末永く提供することにつながる、とYuLifeは捉えている。YuLife共同設立者兼南アフリカ代表取締役のジャコ・オーストハイゼン氏は、次の通りコメントした。
職場での健康意識は大きく変化しており、従業員の福利厚生に新たなサービスやリソースを取り入れる企業が増えています。そこで、当社が南アフリカで着手したのが、企業による従業員の健康としあわせを守るための容易なサービスなのです。企業と従業員双方にとってアクセスしやすく魅力的、かつ利用しやすい商品を提供することで、目に見える価値を日々創造してもらうことが当社の狙いです。
2022年に米国進出を果たしたYuLifeは、保険料ベースで前年比5倍以上と勢いに乗る。2022年7月、インシュアテック系スタートアップである同社はシリーズCラウンド(第一生命主導、T. Rowe Price参加)において1億2,000万ドルの調達に成功。資金調達総額は2億600万ドルに達している。
最新データによると、2021年に南アフリカの生命保険市場の保険料総額は5,984億レアル(約15兆9,410億円)にのぼり、2021年から2026年の年平均成長率は5%以上となる見込みである。「世界第二位の保険普及率を誇る南アフリカは、保険への革新的なアプローチを提案するYuLifeの進出先としては願ってもない市場なのです。」と同社アフリカ支社のオーストハイゼン代表取締役は、今後の展望に自信を覗かせた。
