創設者Noel K. Tshiani氏が率いるCongo Business Network。20194月以来、フィンテック・スタートアップ、銀行、起業家省、コンゴ起業家開発庁、電気通信省、コンサルティング会社などと協力し、金融包摂やデジタル決済文化促進を目標に掲げて、Kinshasaにおけるフィンテック分野の発展に取り組んでいる。

アフリカ諸国のフィンテック・スタートアップへの海外投資家からの関心は依然として高く、投資金額の大半が費やされている。その状況下、起業家たちは、消費者へ向けたより安価で迅速な決済手段を提供することで、アフリカの 金融業界を変革しつつある。しかしその一方で、満足度の高いカスタマーケアの提供という点で、苦戦を強いられることが多い。その要因としては、以下が挙げられる。

1. リソース不足 

えてしてリソース不足気味のフィンテック・スタートアップは、カスタマーサービスに十分な投資ができない。

2. 経験不足

アフリカのフィンテック・スタートアップの大半は、業界へ参入してからの日が浅く、充実したカスタマーケアを提供できる程、経験や専門知識が豊富ではない。

3. フォーカス不足

フィンテック・スタートアップは、往々にして新たに開発した技術とサービスを市場でテストすることばかりに注力しており、顧客対応業務に割く時間や リソースの問題は後回しにされる。

こうした課題があるものの、フィンテック・スタートアップがカスタマーケアを改善するための提案は、次の通りとなる。

1. インフラ整備への投資

充実したカスタマーケアを維持するためのインフラ整備への投資が求められる。最低限、コールセンター、ウェブサイトのチャット機能、ソーシャルメディアのサポートが必須。

2. ソフトウェア及びツールへの投資

様々なソフトウェアやツールの活用。顧客関係管理(CRM)ソフトウェア、ナレッジベース、不正検知、リスク管理、発券システムなどを重点的に導入することが望ましい。

3. カスタマーサービス担当者の育成

顧客サービスの基本、製品知識、苦情解決、風評被害対策、問題解決スキルなどを学ぶ研修の機会を提供して、カスタマーサービス担当者を育成。

4. 顧客満足度の重視

顧客満足度を最優先することの重要性。顧客の声に耳を傾け、問題を迅速に解決し、顧客がさらに満足するよう不断の努力を惜しまない。

カスタマーケアの充実は、フィンテック・スタートアップの成長と成功にさまざまな形で貢献するが、まずそのひとつとして、新規顧客の獲得がある。顧客対応で好感を持たれれば、リピートして利用してもらえる可能性が高まる。

次に、既存顧客の定着。顧客自身が受けたサービスレベルに満足していれば、競合他社への乗り換えや、スタートアップについて否定的なコメントが少なくなる。第三に、ブランドロイヤリティの促進。顧客がカスタマーケアで好感を持てば、それが友人や家族、同僚に口コミで伝わる可能性が高くなる。

フィンテック・スタートアップは、次のような対応を日々行うことで、より優れたカスタマーケアを実現することが可能だ。

1. 迅速な対応

問い合わせに対する迅速かつ正確な回答ができる体制を整える。

2. 知識を蓄える

カスタマーサービス担当者は、自社の製品やサービスについて熟知していなければならない。しっかりと教育されたスタッフであれば、顧客からの問い合せに、迅速かつ正確に対応することができる。

3. 共感力

自分の話に耳を傾けてもらい、理解されたという実感を顧客は求める。カスタマーサービス担当者は、顧客の気持ちに寄り添い、ニーズに合った解決策を示すことができるようでなければならない。

4. 積極性

何か問題が発生して顧客が相談に来るのを待ってばかりではいけない。どのように役に立てるか顧客に働きかけ、他に解決されていない問題がないか、フォローアップする。

5. 前向きな姿勢

カスタマーサービスでは前向きな姿勢が、大きな力を発揮する。親切で、人間味のある対応ができる前向きなカスタマーサービスチームが望ましい。

結論として、アフリカのフィンテック・スタートアップは、世界水準のカスタマーサービス実現のためのリソースに投資することにより、成功の可能性を高めることになる。なぜなら、優れたカスタマーケアは新規顧客の獲得、既存顧客の維持、ブランドロイヤリティの構築を後押しすることになるからだ。

厳しい競合環境にある金融サービス業界において、きめ細かい顧客サービスの提供は、つまるところ、アフリカ全土で多くの起業家が目指す売上拡大、顧客満足度と収益向上につながるということを意味するのだ。