これまでに3度の資金調達を行ってきたMYDAWA。東アフリカ地域外への拡大を目指す同社にとって、今回は過去最大の投資額を獲得したラウンドとなった。

ケニアを拠点に東アフリカ地域で展開するeファーマシープラットフォームMYDAWAが、Alta Semper Capitalから2千万ドルの資金調達に成功した。同社は2016年創業以来、オンラインおよび実店舗を通じて健康関連サービスを提供。今回は4度目の資金調達ラウンドとなる。さらに同社はウガンダで展開する薬局チェーンGuardian Healthの買収も発表している。買収金額は明らかにされていないものの、「新市場への勢力拡大計画の一環」として行われる。

新設のウガンダ地区担当部門は、カンパラおよびその近郊に19店舗をオープンした。MYDAWAは現在、アフリカ全域での買収や提携の可能性、さらには有望なスタートアップについても積極的にリサーチしているという。また、事業拡大に伴い、より多くのパートナーや付加価値のある投資家との関係構築に前向きな姿勢を示している。MYDAWAは次の通り声明を発表している。

弊社は他にも主要な医療提供者や企業とも提携しています。卸売業者、クリニック、薬局、スーパーマーケットへ向けた弊社ブランド製品の売上は急成長を遂げています。遠隔医療からフルフィルメントに至るまで、弊社のサービスはケニアの大手クリニックチェーン等でも利用され始めており、ビジネスは拡大基調にあります。現在アフリカで糖尿病などの問題が深刻化するなか、そうした慢性疾患への最善策を編み出すために、保険会社や関連組織と提携し、パートナーへ豊富なデータ提供を行っているのです。

Alta Semperのアフサン・ジェタCEOは、こう語る。

今回の投資は、弊社のアフリカデジタルヘルスケア業界への参入を意味します。MYDAWAの規制面でのノウハウや市場参入経験、スケーラブルなビジネスモデル、そしてそれらを支える画期的なテクノロジーは弊社の戦略と合致しており、今回の投資は理にかなった選択といえます。適切なアドバイスと安全で手ごろな価格の治療薬の提供拡大に向けた取り組み。それは、アフリカ大陸全域で健康と福祉へのアクセスの民主化を目指すという弊社の企業理念と軸を一にするものです。

MYDAWAはこれまでも複数の投資ラウンドを経て、総額900万ドル超の資金を調達している。2017年3月に行われたシードラウンドではIndigo Partnersから150万ドルを獲得。その2年後にはシリーズAラウンドを実施し、Africa HealthCare Master FundおよびIndigo Partnersから300万ドルを調達した。そして2021年末には、ビル&メリンダ・ゲイツ財団から120万ドルの投資を受けている。今回、MYDAWAの投資ラウンド発表と併せて、ケニアの事業責任者としてプリシラ・ムヒウ氏が任命されたことが伝えられた。ムヒウ氏は、Glovo社でケニア市場のゼネラル・マネージャーを務めたキャリアの持ち主。「ムヒウ氏のリーダーシップのもと、B to C(対消費者向け)とB to B(企業向け)ビジネス双方がすでに大幅に拡大しています。」と同社は自信をのぞかせる。