偽造医薬品は世界中で大きな問題になっています。アフリカをはじめ、東南アジアなどの発展途上国では偽造医薬品に関する厳しい法律がないため、偽造医薬品の流通が止められず、人々は無意で簡単に手に入れられるのが現状です。
この問題を解決するため、2018年にナイジェリアで設立されたソフトウェア企業のChekkitは、FMCG(Fast Moving Consumer Goods、日用消費財)や医薬品の製品認証・トレーサビリティソリューションを開発しました。Chekkitの技術は、偽造品が消費者に購入、使用されたりするのを防止します。合わせて、顧客エンゲージメントプラットフォームやダイレクトマーケティングツールも提供しています。Chekkitに関する詳しい情報及び最近の資金調達については下記の記事をご覧ください。
Chekkitのビジョンとビジネスモデルを見ると、アフリカだけでなく、将来的に世界中で展開するポテンシャルがあると考えられます。そのため、CEOのDare Odumade氏に声をかけて、 友好的なチャットをしました。次はティーエスアイとDare Odumade氏の会話です。
あなたがビジネスを始めた理由は非常に感動的で、私の個人的な考えをいくつか共有したいと思います。私の出身国であるベトナムでは、偽造医薬品に関する状況は全く良くありません。偽造医薬品に限らず、正規のメーカーであっても低品質の製品を作ることがあります。私たち消費者は、自分の体の中に入れるものが安全であると100%確信することはできません。
それが大きな問題です。メーカーは、賄賂などで市場をごまかす方法を探します。これは本当に悲しいことです。これには2つの問題があり、2つの解決策を用意しなければなりません。 1. 生産の水準を維持すること、2. 消費者が興味を持って製品をチェックし、検証すること。
ベトナムでは、医師の処方箋がなくても簡単に薬を手に入れることができるので、余計に不適格な製品にさらされてしまいます。ナイジェリアでも同じような問題があるのでしょうか?
ほとんど同じです。抗生物質のようなものは市販されていますが、多くの薬は確実に処方箋が必要です。そこで問題になるのが、小売店が売り上げを伸ばすために偽物を仕入れることです。これは全体の40%程度行われており、消費者がその違いに気づくことはありません。消費者の関心は健康になることだけで、近所の薬局を信頼する傾向があります。偽造薬を飲んでも良くならなければ、また薬局に行って別ブランドの同じ薬を購入します。
Chekkitを設立したら3年に経ちましたね。当時と比べて、偽造医薬品に関する状況は変わっていると思いますか?
少しは変わってきていますが、あまり大きくは変わっていません。私たちは市場の表面をなぞっただけです。市場には何億ものラベル(消費者がスキャンするもの)が必要です。さらに基準を統合する必要があり、それにはChekkitだけでなく、業界の他のすべてのプレーヤー(サプライチェーン、流通、病院など)の努力が必要です。
貴社のビジネスモデルはB2Bで、生産者にQRコード付きの商品ラベルを提供していますが、コードスキャンアプリの本当のユーザーは一般消費者ですよね。どのようにして人々にアプリを使ってもらうのでしょうか?どのようなマーケティング戦略をとっていますか?
リワードプログラムを行っています。ラベルには「Scratch this and win」のようなメッセージが書かれていて、Chekkitのラベルをスキャンするたびにプレゼントがもらえるチャンスがあります。また、スキャンするたびにポイントが付与されます。
最近ではアフガニスタンにもビジネスを展開していますね。将来的には他の地域にも進出し、グローバル化する予定はありますか?
もちろんあります。日本、EU、米国とのパートナーシップに興味がある理由のひとつは、これらの地域のブランドの中には、ナイジェリアやアフリカ、インドに製品を輸出しており、これらの市場では偽造品の問題が深刻だからです。私たちは、これらのブランドに対して、本物のブランドを守るためのソリューションを提供することができます。また、ベトナムをはじめ東南アジアも、政府やメーカーと協力してぜひ進出したい市場です。
とても楽しみにしています。では、この分野で競合する企業はありますか?
はい、アフリカではmPedegreeやその他いくつか競合する企業があります。しかし、私たちは消費者情報サービスを提供することで差別化を図っています。消費者の行動に関するデータを提供することで、ブランドが消費者を理解し、売上を伸ばすことを支援しています。
それはすごいですね、とても期待しています。今日はありがとうございました。あなたとChekkitを知ることができてよかったです。今後、近いうちにまたお会いして、今後の成果についてお話できることを楽しみにしています。
もちろんです。ありがとうございました。