昨年、ケニアではパンデミックの影響で約172万人が職を失い、多くの人々が大幅な給与削減にみまわれた。このことをうけて、ケニア政府は、国民の負担軽減措置をとることを決定した。ケニア中央銀行(CBK)は、パンデミックにより経済的危機に陥った債務者への圧力緩和のために、Credit Reference Bureau (信用照会局:以下CRB)リストへの登録を6ヶ月間の休止を発表した。

CRBリストとは何か?これは、債務不履行者が掲載されたリスト、つまりブラックリストのことである。このリストに債務不履行者として名前が載ると、将来的に融資を受けることができなくなる。6ヶ月という猶予期間を設けることで、そのリストに登録される債務者の数を減らすことが期待されたが、新型コロナウイルス(COVID)によってもたらされた資金逼迫は、ケニア国民にこれまでにない程のローンを抱えさせるという事態を招いた。しかし、返済可能な借り手があまりいそうもないのが実情であろう。

その結果、債務不履行に陥り、現在ブラックリストに載っている融資口座数は、ケニアで1,400万件にも達している。原因は何か? 何百とあるデジタルレンダー(オンライン融資企業)が驚異的な迅速さと担保不要のローンという手口で、銀行口座の有無を問わず、ケニア人を誘い込み、その一方では、高金利で彼らの首を締め上げているのだ。この実態は問題視されたものの、適切に対策がとられたかどうかについては疑問が残るところである。

それはさておいても、更なる新型コロナウイルス(COVID)の影響として、資金繰り不能でローン返済出来ないケニア国民が多数存在していることがより大きな問題である。

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