ナイジェリアの自動車融資スタートアップで、アフリカにおけるUberの独占車両供給パートナーであるMooveは、2022年3月14日、グローバルな事業拡大のため、株式と債券で1億500万ドルを調達したと発表した。

既存投資家のSpeedinvestLeft Lane Capitalthelatest.venturesがシリーズA2ラウンドを主導し、Mooveによると応募者多数で、AfricInvestMUFG Innovation PartnersLatitudeKreos Capitalなどの新たな投資家が加わった。

ラディ・デラノとジデ・オドゥンシが2020年に立ち上げたMooveは、信用保証の機会が低い市場において、モビリティ起業家に収益ベースの融資を提供している。配車サービスのドライバーである顧客に、毎週の収入の一定割合で新車を購入できるサービスを展開している。

Mooveは現在、ラゴス、イバダン、アクラ、ヨハネスブルグ、ケープタウン、ナイロビなどアフリカ6都市で展開しており、融資を受けた車両は300万回以上、2500万キロメートル以上を走行したという。

今回の資金調達ラウンドは、Mooveの2300万ドルのシリーズAから約7カ月、1000万ドルの債務融資ラウンドから1カ月、2019年にFuture Africaからシードステージの資金調達を受けた後であり、スタートアップが集めた投資総額は1億7450万ドルに達している。

新たな投資により、Mooveは今後6カ月間にアジア、中東、北アフリカ(MENA(*1))、欧州の7つの新市場に車両融資モデルを拡大し、「他の新興市場のモビリティ起業家のニーズに応える」計画だ。

「アフリカ全域でMooveが融資した車両が300万回以上の移動を達成したことで、我々は現在、モビリティフィンテックの成長をリードしています。」共同CEOのデラノは声明の中で、Mooveの拡大計画についてこう述べている。「しかし、車両融資への機会が限られているまたはほとんどない世界中の新興市場には、新進のモビリティ起業家が何百万人もいます。」

デラノは今回の資金調達により、Mooveは 「この世界的な問題を解決するのに十分な体制が整い、資金を確保できた 」と考えている。

さらに、Mooveのモデルは世界のどこにでも適用できると、共同CEOのオドゥンシは言う。「だからこそ、アジアや中東・北アフリカ地域の新たな新興市場に拡大することに大きく期待しています。」

新興国におけるモビリティ領域は、非常にばらばらで整備されてないことが多い。また、中産階級の購買力が十分でないことに加え、自動車ローンへのアクセスできる機会が限られているかほとんどないため、新興国の大多数の人々にとって自動車は手の届かないものとなっている。

Mooveは、収益に基づく資金調達モデルによって、モビリティ起業家という一部の人々ではあるが、この問題に取り組んでいる。

グローバルに拡大するために、計画ではパートナーシップの拡大、自動車、トラック、バイク、3輪車、バスと車種を増やす。

*Mooveによると、シリーズA2は既存の投資家を中心に構成された新しい価格ラウンドで、新たに3人の投資家が加わり、その1億500万ドルすべては事業への新たな資本となる。

MENA(*1) ポストBRICsとして注目が集まっている中東と北アフリカを合わせた市場。「Middle East(中東)」と「North Africa(北アフリカ)」の頭文字から「MENA」と呼ばれる。