近年、「サステナビリティ」(=持続可能性)という言葉がメディアによく出てきますが、はっきり理解していない、または「これは企業の取り組みだ」と考える方が多いかもしれません。持続可能性は、資源が有限であることを前提としており、長期的な優先順位と結果を考慮して、資源を保守的かつ賢明に使用する必要があります。なので、「サステナビリティ」は企業だけが関心を持つべきことではなく、私たちも、環境や経済に良い影響を与えるライフスタイルに少しずつ変えていくべきだと思います。

今回は、サステナブルな生活をプロモートしている「Gochiso株式会社」を紹介させていただきます。Gochiso株式会社はサステナビリティの重要さを認識し、人と地球に優しいお店と出会い、サステナブルな生活をサポートする「Mamoru」プロジェクトを2020年に開始しました。

Mamoruは、無料のマップアプリとMamoru体験の2つのカテゴリーがあります。

Mamoruアプリ

本アプリでは、食品をはじめ、様々なジャンルのサステナブルなお店が検討でき、そのお店で買い物することによって、環境や社会を守ることにつながります。お店のカテゴリーはエシカルコスメ、フリーマーケット、伝統工芸品、オーガニック等のお店があり、本アプリは、そのようなお店を紹介することで、小規模ビジネスをサポートします。

Mamoru体験について

オフラインツアーだけでなく、コロナ時代に適応したオンラインツアーも提供しています。海外顧客や日本に住んでいる顧客向けに、地方ビジネスと提携し、地方の商品付き体験コースを提供します。伝統的な旅行と比べると、プランニング時間もコストも減り、世界中にどこからでも参加して体験できることは最も大きなメリットです。また、交通機関を利用しないので、二酸化炭素の排出もなく、環境に優しい旅行体験の形です。

創業者 Philip NguyenはアメリカのUCLA卒業者で、京都大学院環境学にて博士号を取得した後、2016年にGochiso株式会社を設立しました。この度、Philipさんにインタビューし、彼の事業から個人的のサステナブルな生活まで様々なお話を伺いしました。以下は彼との会話です。

会社を設立したきっかけは?

私は大学で環境科学と文化研究を専攻し、社会問題や環境問題について多くのことを学びました。博士を取得するために日本に来て、研究やライフワークで社会に貢献したいと強く思っていました。しかし、より大きなインパクトを与えるためには、ビジネスの方が良い道だと思いました。周りの起業家からの刺激と、地球の未来への不安が入り混じっていたのです。それがソーシャルベンチャーの開発につながったわけです。

日本で会社を設立した理由は何ですか?利便性からなのか、それとも他の理由があって日本でスタートアップを作ったのですか?

利便性で言えば、私はすでに日本に住んでいました。京大で勉強した時にビジネスアイデアを練り、その頃には強力なサポートネットワークがありました。また、私が解決しようとしている問題やビジネスチャンスも日本の方が大きかったと思います。また、日本のNPO市場の成長性、大きな食市場、若者の社会貢献への関心など、たくさんのチャンスがあると考えたので日本で起業することにしました。

あなたのスタートアップの初期の従業員は誰ですか?どのようにして採用したのですか?

初期の従業員は、スタートアップを始める前に以前一緒に働いていた人や、以前から知っていた人、また、私が信頼している人から紹介された人たちです。後は、SNSで投稿したり、大学で私の会社のプレゼンテーションをしたりしました。現在、スタッフはインターン、ボランティアで、全員は学生・大学生・サステナビリティに深い関心を持つ若者です。

あなたの考える「サステナビリティ」とは何ですか?どうやって周りの人にサステナブルになるように促すか(サステナブルになるためには、より多くの努力と時間、そして時にはかなりのコストがかかります)

私の定義は、経済的、社会的、環境的、人間的、政治的な幸福を考慮して、現在を繁栄させつつ、未来も繁栄させることです。

周りの人にサステナブル生活をプロモートするには、まず、完璧である必要はないと覚えてほしいです。全体としてより良い影響を与えるために、小さな行動から始めましょう。楽しく、自分のためになる方法で、小さな一歩を踏み出すことは良いと思います。不安やストレスを感じないことが目標なので、私がどのように持続可能性を推進するかによって、人々がストレスを感じることがあってはならないと考えています。

次の食事をどうするか、病院でどう治療を受けるかなど、目先のことにしか気を配れない人は、サステナブルになる余裕がありません。長い目で見てサステナビリティをサポートする立場として、あなたはどのように貧困問題の解決に貢献していますか?

私たちは、富をよりよく再分配する必要があると思います。

 持続可能な世界へのシフトを加速させることができると信じて、特に中小企業やベンチャー企業を中心に、将来の収益をスケールアップ可能なソリューションやビジネスに投資したいと考えています。また、Mamoruは、社会や環境に有益な政策立案に利用できるデータ(消費者、企業)を生み出すこともできます。

競合他社と比較した場合のメリット・デメリットを教えてください。

まず、メリットだとオンラインもオフラインの体験も提供できること、そして私たちの持続可能性の高い認識です。しかし、デメリットももちろんあります。選択肢が少なく、顧客サービスもまだ改善が必要な点があります。

最後の質問はちょっと個人的かもしれませんが、仕事とプライベートのバランスはどのようにとっていますか?

実は、今は仕事と生活のバランスが上手く取れていませんが、それを達成するために努力しています。少なくとも、自分がやっていることを楽しんでいるので、仕事だとは感じていません。ライフスタイルに運動を取り入れ、少なくとも週1回は友人と会ってランチやディナーを楽しむようにしています。

ありがとうございました。