このほど、ベトナムのスーパーアプリ(*1)MoMoは、シリーズEラウンドで資金調達に成功したことを公表した。みずほ銀行を始めとして、他にも、Ward Ferry、Goodwater Capital、Kora Managementなど世界有数の機関投資家からエクイティ・ファイナンスによって約2億ドルを資金調達した。

同社は今回の資金調達でスーパーアプリプラットフォームのさきがけとしての地位を確固たるものにする。3,100万ユーザーへ金融サービス商品を浸透させ、ベトナム全土で数百万に上る中小零細企業加盟店へのサービス拡充、さらにMoMoのエコシステムの発展につながるベトナム企業への投資などに活用するとしている。また、大都市のみならず、地方部など、サービス提供エリアの拡大にも取り組む予定である。
過去10年に渡り、MoMoはベトナム人に生活向上をもたらすテクノロジーへ投資し続けてきた。同社は、デジタル経済の発展というベトナム政府の戦略的目標に向けて強力なサポートを行っている。それは、キャッシュレス決済の普及、オンライン上の金融包摂(*2)、新型コロナウイルスにより生じた諸問題の解決等に見てとれる。具体例として、MoMoが提供する寄付プラットフォームでは、幅広い分野の活動に対し、ユーザーから400万ドルの寄付を集めたという実績がある。さらに、MoMoの14万以上に及ぶ様々な業種の決済サービス加盟店など、数多くのビジネスパートナーのデジタル変革を後押ししてきた。MoMoの取締役副会長兼共同CEOのNguyen Manh Tuong氏は、今回の資金調達に喜びのコメントを寄せた。
世界有数の投資家からの支持を得られたことを光栄に思い、感謝しています。当社はテクノロジーによってベトナムの人々の生活やビジネス環境を改善し、よりシンプルで手頃な金融ソリューションや日常サービスの普及に努めてきました。今回資金調達できたのは、そのミッションに対する確信と信頼の表れと捉えています。世界中の投資家から得られた、ベトナム人によるベトナム人のためのMoMoプラットフォームへのコミットメントは、イノベーションを重ね、変化をもたらす有能な当社のチームにとって、大きなモチベーションへとつながります。
また、みずほ証券常務執行役員兼、リテール・事業法人部門特定業務担当の堀内大輔氏は、今回の出資について次のように語った。
MoMoへの出資は大変喜ばしいことです。私たちは、ASEAN地域、デジタルトランスフォーメーション、金融包摂に特化して、リテール金融事業の裾野を広げることを目指しています。
同社はこうした側面において卓越しており、今後も優れた金融ソリューションと生活に密着したサービスによって、ベトナム人のライフスタイルやビジネス環境を改善していくことは間違いありません。これから、MoMoの成長とベトナムの金融包摂の拡大のために連携を図りながら当社は協力していくことになるのです。
(*1)スーパーアプリ
電話、買い物、決済、動画視聴など様々な用途のスマホアプリをプラットフォームとなる1つのアプリに統合したもの。
(*2) 金融包摂貧困や差別などの理由で、経済的に不安な状況にある人に、基本的な金融サービスにアクセスできるように支援し、経済活動に必要な金融サービスをすべての人が利用できるようにする取り組みのこと。
【Growtheater登録関連企業】
無人販売機への電子決済及びクラウド管理システムの実装サービス