資本動員、ビジネスガバナンス、開発において女性起業家を支援するVisaの「She’s Next Grantプログラム」。この度、新たな支援対象10か国の1つに、ベトナムが選ばれた。
Visaのベトナム・ラオス地区カントリーマネージャー、Dang Tuyet Dung氏は、先頃行われたプログラム拡大を祝したセレモニーの場で次の通りコメントした。
女性経営者の発展ついては、必ずしも困難な道のりではないとみていますが、デジタル変革に対応するには、適切な準備がまだまだ必要となります。
「起業家精神と、She’s Nextに見られるスポンサーシップやネットワーキング・プログラムによるサポートがあれば、女性起業家が世界に進出するための最善の足がかりをつかむことができるに違いありません。」と、Dung氏は続けた。
Visaはベトナム進出以前に、「She’s Next」を2019年の初めに他の市場でスタートさせている。何千という女性起業家をつなぎ、既にトレーニングを実施し始めていた。
「She’s Next」は2020年3月以降、世界中の中小企業の経営者に152件に及ぶ助成金とコーチング奨学金として、160万ドル以上を授与している。
この助成金プログラムは、女性起業家が事業拡大のための資金調達や経営を支援することで、それに立ちはだかる壁を解消し、経済活動に参加する機会創出を目的としている。
女性起業家は市場で影響力もあり、なくてはならない存在となっているが、男性に比べて必要な支援や平等な発展の機会を得られていない、との見解をVisaは示す。世界的に見ても、新たな起業家のうち男性は14%であるのに対し、女性はわずか10%にとどまる。
男女の経営者は法的には平等な立場にあるが、Visaの推計によると、女性が経営する企業は資金源を見つけられず、約11億9,000万ドル相当の資金が不足しているという実状である。
ベトナム女性連合が公表した2019年のデータによると、ベトナムでは女性の貢献は不可欠であり、GDP成長率全体の最大40%、労働力人口全体の50%近くを占めると推定されている。
2021年までに、女性が経営する企業の成長率は25%と、他の東南アジア諸国をリードしているが、女性が財源を活用する機会はまだ限られている。Visa Vietnamによると、銀行融資を受けたことのある男性経営者は47%であるのに対し、女性経営者は37%に過ぎない。
この差を縮めるべく、Visaは「She’s Next」をベトナムで展開した後、中東や欧州の他の市場も視野に入れ、女性起業家のビジネス目標実現のための資金提供対象を拡大していく予定である。
Visa Vietnamは、さまざまなコンテストで女性経営者のトップ企業を選出し、国内市場での事業展開にとどまらず、他国への進出も支援していく。また、Visaは、トレーニング、決済、資本動員、ビジネスガバナンスにおけるスキルや知識の共有に関連した多角的なプログラムを実施する予定だ。
受賞者3名には、1万ドルの助成金と1年間のIFundWomenコーチングメンバーシップ、その他さまざまなリソースへのアクセスが提供される。
Visa Vietnamは、IFundWomenとの協力に加え、ベトナム女性起業家会議、ベトナム国家支払公社、VietFintech Clubなどとも協力し、「She’s Next Grantプログラム」を進めていく。
「より多くの組織がベトナムや世界からこのプログラムに参加し、女性が経営する企業にベストな発展機会を提供することに期待を寄せています。」と、Dung氏は述べた。
参加資格には、少なくとも1年以上事業を継続し、持ち株比率が51%以上の女性出資者が代表となる企業であることが求められる。
評価基準は、説得力のあるビジネスストーリー、ビジネス指標、デジタルプレゼンス、社会的インパクト、その他いくつかの要素があり、厳正な審査を経て受賞者が決められる。
この助成金プログラムは、現在席巻する新型コロナウイルス感染症によるパンデミックからの回復加速を目指し、世界中の5,000万社に及ぶ中小企業のデジタル化を実現するというVisaのコミットメントに準ずる。ベトナムにおいては、中小企業がeコマース急増の恩恵に浴するためにデジタル化を進め、消費者による地元企業支援を奨励することで、ビジネスの効率性促進をVisaは後押している。
また、Visaならではの信頼できる商取引エンジンとして、同社のPractical Business Skillsプラットフォームでは、デジタル時代に発揮するビジネスへ向けた起業家としての知識やツールへのアクセスを提供している。*このプログラムへの参加登録は、今年の4月29日で受付終了している。