外国資本の誘致を促し、新たな税収源となり得るブロックチェーンを利用したゲームプロジェクトが、ベトナムのスタートアップ企業発展を後押しする。
このところ、世界中でGameFiがホットなキーワードとなっているが、それはベトナムも例外ではない。ブロックチェーンゲームのプレイヤーは、従来とは異なり、単に楽しむためだけではなく、「稼ぐためにプレイする」のだ。GameFi市場の時価総額は数百億円と推定されている。
この2年の間に、「稼ぐためにプレイする」NFTゲームから端を発し、「稼ぐために動く」「稼ぐために学ぶ」など、さまざまなビジネスモデルが登場した、とベトナムブロックチェーン連合(VBU)の議長、Dang Minh Tuan氏はその背景を語る。
従来のゲームをブロックチェーン化し、ゲーム理論を応用して、さまざまなアクティビティをゲームにするという原理「Play to Earn」モデルを構築する傾向は当初からあったものだ。
GameFiは、仮想通貨に次ぐブロックチェーン技術、DeFiエコシステム、NFTプラットフォームの応用を最も明確化した分野の一つであるとTuan氏は見解を示す。
どんなトレンドにも始まりがあり、ブームが生まれ、やがて衰退してゆく。開発が盛んな時期には、不正目的や詐欺まがいのプロジェクトも多く出現し、この分野のプロジェクトに対する信頼を揺るがしかねないこともある。
こうしたプロジェクトが数多く登場したことにより、GameFiに対して懐疑的になった人も少なくないだろう。だが、いずれの状況であれ、問われるのは、どう動くかにかかっている。
市場が下降の兆しを見せただけで、それはプロジェクトや製品の価値を下げる間接的な原因となり、投資家もまた減ってしまうことになる。
Tuan氏も、一度市場が低迷すれば、プロジェクトや製品価値の低下につながり、それだからこそ投資家の数も減少することになる、との持論を展開している。
仮想通貨やデジタル資産に関する法的枠組みができれば、ブロックチェーンベースのゲームが外国資本を呼び込むことができると、Tuan氏は見込んでいる。
また、ベトナムにとってのメリットはそれだけにとどまらない。仮想通貨やデジタル資産に対する理に適った投資方法と税政があれば、ブロックチェーンゲームは新たな税収源となり得る。更には、ブロックチェーンゲームの開発に伴う他のブロックチェーンアプリを開発する優秀なプログラマーを生み出すことにもつながるだろう。
コミュニティとプレイヤーに価値を生み出す可能性のあるGameFiプロジェクトの開発をベトナムは政策支援するべきなのだと、氏は提言する。
そして、デジタル資産である仮想通貨の管理に関連したガイドラインや方針を早急に策定し、「Make in Vietnam」をモットーにした技術の習得とイノベーションを奨励していく必要がある。
「仮想通貨やデジタル資産の取引所には、サンドボックス(試験的なプログラム)を設けるべきでしょう。そうした取引所の規制や、ベトナム人による開発商品への合理的な課税、取引手数料徴収の仕組みを構築することが求められているのです。」と氏はコメントを残している。
キャッシュフローのコントロール、税金の徴収、リスクの最小化といった課題を、ベトナムは適切な機関や組織の運営による集中型取引所という手法で実現につなぐことができるのだ。