Vietnam Investment Review

フレイザーズ・ベトナムM&Aガイド第2版では、主要な法律、買い手の特徴、対象分野、外資規制など、さまざまなポイントについて解説している。

5月10日に発売された「フレイザーズ・ベトナムM&Aガイド」は、ベトナムにおいて最も包括的で最新のM&A情報を提供している。

発行元によると、ベトナムでのM&A取引に関心を持つ人々にとって、2022年で最も読み応えのある一冊であることは間違いなく、ベトナムでM&A取引を成功させる際に考慮すべき主要な規制上の留意点に着目している。

2021年のM&A件数は、パンデミックの影響にもかかわらず、これまでの記録をすべて更新し、最高の記録となった。ベトナムのM&A市場は活気に満ち、拡大し続けている。

M&A市場における投資家のチャンスは、あらゆる産業分野にわたってますます広がっている。Fraser Law Companyは、「政府は国内外における投資家の利益のため、有意義で効果的な法律、規制、行政、官僚の改革を強化し、ベトナムにおける活発なM&A市場を育成し続けています。」と述べる。

Fraser Law Companyのパートナーであり、このガイドの著者Justin Giszは、「外国人投資家は継続的にベトナムM&A市場にポジティブな意識を持っています。

ベンチャーキャピタルやプライベートエクイティファンド、世界中の企業投資家が、ベトナムにますます関心を寄せています。最近、東南アジアやベトナムに特化した投資ファンドが数多く作られており、ベトナムの強さと将来性、そして成長と収益性の大きな可能性を考慮し、海外からベトナムへ代替拠点を求めて移動するメーカーが多く見られます。」と話す。

2021年、Fraser Law Companyは、銀行・金融、教育、エネルギー、FMCG、ヘルスケア・医薬品、保険、IT・メディア・通信、製造、インフラ、不動産など幅広い産業分野において、ベトナムでのM&A取引に関するアドバイザリー業務に85件携わった。

しかしながら、今年の第1四半期は、ベトナムのM&Aは若干減速気味である。

Gisz氏は、「2022年第1四半期は、国際的にM&Aの動きが鈍化し、ベトナムも同様でした。この減速は、主に地政学的要因から生じる世界的な不安の結果であると考えています。国際的なM&A市場の冷え込みにもかかわらず、当社の2022年末までの案件パイプラインは堅調です。国際的な投資先としてベトナムのファンダメンタルズは魅力的であり、2023年以降もM&Aは堅調に推移すると考えています」と話す。ベトナムのM&Aに関する法的枠組みについて、Gisz氏は以下の通り述べた。

規制は以前より改善されていますが、改善すべき重要な問題は、合併管理制度と買収承認手続きの2点です。規制当局による合併管理制度と買収承認手続きの承認プロセスは、今後さらに簡素化・合理化されるべきです。特に、現在、合併規制の届出が必要なM&A案件が多すぎるため、多くの実行可能なM&A案件が取引スケジュールの問題により、大きな障壁となっています。ベトナムの外国為替管理体制を自由化し、ベトナムへの資金移動と国外への資金移動をより容易にする必要があります。

ベトナムの外国為替管理規制と手続きは、依然として煩雑で時間のかかるものです。

Frasers Law Companyは、ベトナムの独立系法律事務所で、The Legal 500やAsia Lawなどの主要な第三者ガイドでトップクラスの法律事務所として認められている。

同社は、ベトナムの銀行・金融、資本市場、企業・M&A、データ保護、紛争解決など13の業務分野でThe Legal 500にランクインしており、ベトナムで最も高い評価を受けている法律事務所である。

同社の前身となる法律事務所は、1994年からベトナムで活動しており、国際法、ベトナム国内法での両方のアドバイスを提供することが可能であり、ベトナム最大級の国際弁護士と現地弁護士からなるチームを有している。

Frasers Law Companyは、2022年5月24日(ベトナム時間)にFrasers Vietnam Merg & Acquisitions Guide – Second Editionのオンライン発売を記念してウェビナーを開催した。このウェビナーでは、ベトナムにおけるM&Aガイドの発行を祝うとともに、ベトナムでM&A取引を成功させるために考慮すべき重要な事柄に焦点をあてた内容であった。