Vietnam Investment Review

4月12日、国際金融公社(IFC)は、ベトナム大手住宅開発企業Nam Long Investment Corporationが発行する約4,400万ドルの債券引き受けを明らかにした。

この投資は、Nam Long社がベトナム経済の中心、ホーチミン市近郊の衛星都市における労働者向けの持続可能なグリーン住宅開発を支援するものである。IFC の投資により、1,500 人の雇用が創出され、居住者は5 万人を超える見込みだ。

Long An省にある総合タウンシップ「Waterpoint Nam Long」

Nam Long社はこの資金を、「Waterpoint住宅プロジェクト」の第2フェーズに充てる。Waterpointは、緑の公共スペース、スポーツ施設、学校、大学、医療施設などを備えた総合的なタウンシップ開発の一部となる予定だ。また交通網、小売店、オフィスも整備されることになる。

IFCによる投資は、ベトナムで増えつつある中所得者向けの住宅供給能力の向上につながります。Waterpointプロジェクト第2フェーズで施工予定の5,000戸以上のアパート建設は、当社のEDGE(Excellence in Design for Greater Efficiencies)グリーンビルディング基準に則るため、ベトナムの深刻な住宅不足に持続的に対応することができるでしょう。」と同社のCEOであるTran Xuan Ngoc氏は述べる。

EDGEは、同種の住宅プロジェクトと比較して、電力、水、材料の内包エネルギーの消費を20%以上削減する。これにより、毎年、国全体の約28%を占める建築セクターの温室効果ガス排出量を減らすことができる。IFCアジア太平洋地域副総裁のAlfonso Garcia Mora氏は5日間のベトナム滞在中に、次のようなコメントを残した。

ベトナムは2045年までに高所得国になることを目指し、2050年までにカーボンニュートラル達成という意欲的な目標を掲げています。そのため、この種の開発に対する融資は数々の利益をもたらすことになるでしょう。

「環境面で持続可能なタウンシップ住宅は、人々が主要商業拠点の近くに居住することを可能にし、温暖化対策としても効果的であるだけでなく、成長するベトナムの中産階級への高品質な住宅供給をも促進させるでしょう。」と、同氏は期待を示す。

ベトナムは、急速な経済成長により都市化が進み、人口9,650万人のうち3分の1以上が都市部で居住し、そこで働いている。

この先、年間37万戸を超える大幅な住宅不足に直面することになり、それはとりわけ経済の中心であるハノイやホーチミンを囲む工業地帯や衛星都市では深刻な問題である。国内の製造業が再開されつつある現在、継続的な設備投資は極めて重要であり、主にこれらの地域に振り向けられると思われる。

IFCは新興国の民間セクターを対象とした世界最大の開発機関として、100カ国以上で活動を展開している。2021年度には、経済がパンデミックの影響で苦戦する中、途上国の民間企業や金融機関に過去最高の315億ドルを拠出し、極度の貧困撲滅と繁栄の共有促進のために民間セクターの力を活用するよう全面的に支援した。

Nam Long社の昨年の売上高は前年同期比2倍増の2億2,600万ドル、最終益は同74%増の6,400万ドルと増収増益であった。