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ベトナムはパスワードレスの強力な認証エコシステム「Make-in-Vietnam」を立ち上げることで、パスワードレス認証に向けた世界的な動きに参画している。

先日、情報セキュリティ機構(AIS)は、Make in Vietnam認証に関するセミナーをIECグループと共同で開催した。

1960年代から普及しているパスワード認証には多くの問題点がある。マイクロソフトの調査によると、情報漏えいやデータ盗難の80%が、脆弱なパスワードやパスワードの漏洩と関係があることが判明している。

さらに、パスワード管理には莫大なコストがかかっている。Forresterのレポートでは、大規模な組織では、パスワード関連の課題解決のために、従業員とインフラに年間平均100万ドル費やす必要があると報告されている。

この問題のため、世界中のセキュリティ専門家がパスワード認証に代わるより優れた解決策を探してきた。そこで生まれたのが、パスワードレス認証技術である。

50万人の情報セキュリティ専門家を対象にしたSecurity Insiderの2021年調査レポートによると、調査対象の実に91%が、パスワードレス認証によりフィッシング攻撃や個人情報盗難リスクが軽減されると回答している。

さらに、64%の調査対象者が、ユーザー体験の効率化とDX率を21%向上させることができたと評価している。

この流れを受け、ベトナムではパスワードレス認証技術移行への第一歩を踏み出すこととなった

Make-in-Vietnamの強力な認証エコシステムである、VinCSS FIDO2 ecosystemがセミナーで正式に発表された。これはASEANで初めてFIDO2国際標準に準拠したシステムである。

VinCSS FIDO2 Ecosystemは7つのソリューショングループからなり、そのうち4つのグループはFIDOアライアンスによりFIDO2証明を受けている。

VinCSSのCEOであるDo Ngoc Duy Tracは、これは不可逆的な潮流であると断言した。

もしベトナムがパスワードレス認証の適用に手間取り、他の国々がパスワード認証を段階的に廃止した場合、ハッカーはベトナムを含む『セキュリティ陥没地域』に攻撃を向けるでしょう」とTracは言う。

VinCSS FIDO2 Ecosystemの立ち上げは前向きな兆候であり、ベトナム企業が国際的なセキュリティ基準を満たす製品・サービスの研究開発力を有していることを改めて確認したと、Nguyen Huy Dung情報通信副大臣が発言している。

Dung氏によると、国家のデジタルトランスフォーメーション戦略のもと、企業は組立・アウトソーシングから、ベトナムで開発・設計・生産する「Making in Vietnam」への移行が奨励されているのだ。

企業は、社会のニーズを満たすデジタル機器を製造するために、技術の研究・開発・習得に集中する必要がある。