Vietnam Investment Review
アナリストによると、私募債の募集と取引に関する新たな政令は、債券発行条件、資本利用目的の監督、情報の透明性の標準化と改善に役立つという。
9月16日、ベトナム政府は政令65/2022/ND-CPを公布した。この政令は、国内市場での私募債の募集・取引及び国際市場での社債の募集を扱う2020年12月31日に公布した政令153/2020/ND-CPの多くの条項を修正・補足したものである。
新たな政令は、意図的に債券収入を目的とする際の発行者の責任と義務を強化することを目指している。
Mirae Asset Securities Vietnam Joint Stock Companyのアナリスト、Nguyen Nam Son氏とNguyen Duong Cong Nguyen氏は、債券発行のコンプライアンスレベルの見直しに関連して、短期的に社債市場が大きく変動するだろうと予想している。
この市場の発展の可能性は依然非常に大きい。
域内諸国と比較すると、ベトナムにおける社債の対GDP比は15%と低い水準にあり、タイは約97%、マレーシアは約58%である。
この新たな政令の発行は、近年、多くのリスクと欠点に直面し、違反事例が出ている社債市場を安定化させる管理機関の決意を示すものであるという。
ベトナム国際仲裁センター (Vietnam International Arbitration Centre) の所長であり、国会経済委員会の委員でもあるVu Tien Loc氏によると、この新たな政令には4つの目的がある。すなわち、パブリシティの確保に関する規定を追加し、基準を設定し、制裁執行措置を強化し、社債市場に対する不合理な制約を取り除くものであるというのだ。
新たな政令で実施されたすべての修正は、投資家を保護するための国家による管理を強化するためのものであると、Loc氏は述べている。
ベトナム債券市場協会 (VBMA) によると、2022年1~8月期に344件、約211兆3000億ベトナムドンの私募発行があり、発行総額の96%を占めている。債券の私募額は前年同期比で約40%減少している。
KB Securities Vietnam Joint Stock Company(KBSV)は、ベトナムの社債市場が営業開始した2005年以降、総発行件数は5,000件以上となり、発行総額は約2.5兆ベトナムドンに達し、経済への資金供給に重要な役割を果たしていると発表した。市場規模は140倍に急拡大し、GDPの約18.3%近くに達している。
多くの企業は私募発行を選択しており、私募発行の割合は一般的に発行総額の85~95%に達している。その主な理由は、公募発行規制によるコストが高いためである。
Vietnam Kien Thiet Securities Companyの副社長であるDo Bao Ngoc氏は、この新たな政令は、市場が現在の法的問題の欠点を解決するのに役立つだろうと述べた。
新たな政令の下では、債券所有者の代表も発行者の資本利用目的を管理し、定期的に管理機関に報告しなければならない。すなわち、資本の利用過程を監視する部署が追加されることになる。
Ngoc氏はまた次のように述べている。政令65号は、投資家のリスクを抑制しながら、資本問題の解決に貢献し、企業に透明性の確保にを促し、社債市場に肯定的かつ大きな影響を与えている。