日本貿易振興機構(ジェトロ)ホーチミン事務局の井田浩司次長によると、メコン川下流のメコン・デルタ地帯、中でもヴィンロン省では投資機会を求める日本企業から注目を集めているという。
日本貿易振興機構(ジェトロ)ホーチミン事務所の井田浩司次長は、ベトナムのメコン・デルタ地帯、とりわけヴィンロン省での投資機会に多くの日本企業が注目していると明かす。
2月23日、ヴィンロン人民委員会代表との間で開かれた「投資環境に関するワーキングセッション」の場で、ベトナムは日本や国際企業にとって、最もポテンシャルのある魅力的な投資先の一つであることを井田氏は認めている。
近年、日本企業にとってベトナムは米国に次いで重要な投資先となっているという見解を同氏は示した。
さらに、行政手続きの複雑さが日本企業にとって課題になっている点についても言及した。ヴィンロン省当局が海外企業に対して支援政策をすすめ、行政手続きの簡素化を加速させることで進出を奨励するよう期待を寄せた。
それに応じて、同省人民員会副主席のグエン・ヴァン・リエット氏は、前向きな姿勢を示した。「地方当局は常に投資家と行動を伴にし、より有利な条件を提示します。特に地方でのプロジェクト展開に課題があれば、その解決に向けて協力は惜しみません。」
ヴィンロン省は各分野での経済・生産再編の飛躍的な前進を目指す。まずは大規模かつハイテクを駆使した農業の発展、特に農産物加工を経済成長の原動力として強く推進していく。さらに都市インフラ、交通、電気、灌漑、情報通信技術といったインフラ共同開発および近代化に向け、国内外からリソースを呼び込んでいるという。
メコン・デルタ地帯および大メコン圏全体の発展につながる農業と観光の成長、気候変動と海面上昇に対応した持続可能な社会経済開発も推進している、とリエット副主席は続けた。
ヴィンロン省計画投資局のグエン・カック・ヌー副局長によると、2022年、同省の企業から日本企業への製品輸出額は6,020万米ドル(前年比40%増)にのぼり、同省総輸出額の8%を占めるという。主な輸出品としては革靴、繊維製品、自動車部品、手工芸品、農産加工品などが挙げられる。
ヴィンロンには、15カ国・地域から73の外資系プロジェクトが参入している。同省への総投資額が2億1,380万米ドルとされる日本は、世界第一位にランクされた。食品および農産物の生産・加工、倉庫・保管サービス、ミシン部品・小型精密機械部品の製造などを中心に11プロジェクトの展開を支えている。