Sao Maiグループの子会社であるSao Mai Solar(サオマイソーラー)社は6月5日、ピーク出力3.4メガワット(3.4MWp)の屋上太陽光発電システムポートフォリオの売却に向け、TotalEnergies ENEOS社と株式売買契約を締結した。
さらに、両社はSao Maiグループの産業施設向け屋上太陽光発電プロジェクトの開発を皮切りに、再生可能エネルギー分野での協力関係を推進する覚書にサインした。
本プロジェクトでは、メコンデルタ地方ドンタップ省のバンコン産業クラスターにあるAsia Fish Oil社およびIDI International Development and Investment JSC社の工場に屋上太陽光発電施設(3.4MWp)を設置。
現段階で年間4.4ギガワットの再生可能エネルギーを生成しており、試算にして毎年3,500トン以上のCO2排出量削減が見込まれる。これは5万2,500本以上の植樹による効果に相当する数値だという。
この地域の太陽光発電ソリューションをけん引するTotalEnergies ENEOSは国際的な技術ノウハウをフル活用し、今回のポートフォリオを効率的に運用することでB2Bの顧客向けにサービスを提供していく考えだ。
TotalEnergies ENEOS Renewables Distributed Generation Asiaのディレクターであるエロディ・ルノー氏は次のようにコメントしている。
ベトナムでの太陽光発電プロジェクトのポートフォリオに名を連ねたことを光栄に思います。そして覚書に署名したことで長期的なパートナーシップにおける共通の意思表示ができたことは喜ばしい限りです。TotalEnergies ENEOSが掲げるコミットメントは、アジア太平洋地域における分散型発電事業の拡大、そしてより多くのB2B顧客の持続可能な開発目標達成支援でありますが、これでそれらがより明確になります。
2022年に設立された同社はTotalEnergiesとENEOSが共同出資した合弁会社であり、シンガポールを拠点にアジア全域でオンサイトB2B太陽光分散型発電設備を展開中。今後5年間で2GW(ギガワット)の分散型太陽光発電容量を開発する計画だという。
TotalEnergiesは発電設備の生産・販売を行う世界的なマルチエネルギー企業。稼働中・建設中・開発中を含め、世界各地で総容量2GWもの太陽光分散型発電ポートフォリオを展開している。
日本最大級の再生可能エネルギー生産能力を誇るENEOSもまた、分散型発電事業を拡大中の企業である。ENEOSグループは2040年へ向けた長期ビジョンにおいて、分散型電源を含む次世代エネルギー供給やコミュニティサービスを成長事業の1つに位置づけしている。2017年に設立されたSao Mai SolarはSao Maiグループ企業のひとつ。メコンデルタ地方アンザン省にあるアンハオ太陽光発電所(容量210MWp)、さらにロンアン省のユーロプラスト太陽光発電所(50MWp)への投資を行っている。