Vietnam Investment Review

住友林業は6月13日、ベトナムの大手再生可能エネルギー企業のCME Solar JSCと合弁契約を締結した。今後は屋上太陽光発電市場の拡大・発展に取り組むことで、ベトナムのクリーンエネルギーソリューションに貢献していくという。

今回合意に至ったのは、ベトナムのCME Solarと日本の住友林業という2大企業による合弁事業。幅広い業界のグローバルリーダーである住友林業が、気候変動の緩和とクリーンエネルギーへの移行という喫緊の課題を受け止め、再生可能エネルギーに注力していくという戦略的判断を下したことになる。

ベトナムにおいて太陽光発電のポテンシャルは高く、持続可能なソリューションへの需要の高まりもあることから、住友林業はベトナムを屋上太陽光発電開発の主要市場と位置づけている。

住友林業は自社の壮大な事業を成功に導くため、ベトナムの屋上ソーラーパネル業界で実績と専門性を兼ね備えたパートナーを模索。慎重に検討した結果、すぐれた技術力と豊富な経験を併せ持ち、さらにESG(環境・社会・ガバナンス)スタンダードを満たすための取り組みを堅実に重ねてきたCME Solarが理想的な提携先として浮上したという。

CME Solarは長年ベトナムの分散型太陽エネルギー産業の牽引役であり、屋上ソーラーパネル設置の分野で卓越した技能を持つことで知られている。これまでにも複数のプロジェクトを成功させた実績を持ち、高度な技術やESG課題について幅広いノウハウを有することから、住友林業にとっては格好のパートナーといえる。

住友林業とCME Solarが互いのリソース、知識、経験を結集することで、ベトナムでの屋上太陽光発電事業の発展を加速させるとの期待が高まる。

同合弁会社にとって最大の目標は、ベトナム全土で屋上太陽光発電システムの普及を促進することにある。ソーラーシステムが広まることで従来型エネルギー源への依存から脱却し、二酸化炭素排出量削減のほか、クリーンで持続可能な電力の提供など、多くのメリットを享受することができる。両社はESGの最高水準に準拠しつつ、拡大する同国のエネルギー需要に対応する最先端のソリューションを提供していくという。

CME Solarと住友林業は、2050年までにネットゼロエミッション達成というコミットメントを共に掲げる。また、地域社会への最高のグリーンエネルギーソリューション提供というコアバリューにおいても足並みを揃えていく。

CME Solarは設立以来、一貫してネット・ゼロに向けたIEAのロードマップに従い、地域社会と顧客の双方に向けた二酸化炭素排出量削減に注力してきた。また、同社は国家の送電網に依存するよりも有利なコストソリューションを顧客に提供している。

今回の合弁事業がベトナムにおける屋上太陽光発電設備の拡大に貢献し、国を挙げてのクリーンエネルギーソリューション導入を後押しすることでもたらされるポジティブインパクトに両社は期待を寄せる。

1691年設立の住友林業は、創業から300年たった今も木材や環境に関連する様々な製品やサービスを提供し続けている。同社は長期ビジョン“Mission TREEING 2030”を掲げ、今後も脱炭素社会の実現に向けた取り組みに尽力していくという。

一方、2018年に設立されたCME Solarはベトナム国内の再生可能エネルギー事業に特化した投資・開発企業。同国では今急速に太陽光発電市場が拡大しており、強力な財務基盤を持つCME Solarなら、急増する需要に万全の体制で臨むことができる。