Vietnam Investment Review

先ごろ、ビジネストランスフォーメーション(BX)推進に求められるデータの変革力について考察する会議が開催され、業界の有識者や企業経営陣がその課題について議論を深めた。中でも、焦点が当てられたのは、最高財務責任者(CFO)とその中核的な役割についてであった。

この会議は、ベトナムCFO協会、Microsoft、TC Data、TD Tech Dataが主催し、正確な財務報告計画実現の基礎となる情報基盤構築方法について議論がされた。そこでは、テクノロジー企業の情報化に関する見解が共有され、変革推進には力強いリーダーシップが不可欠であることが唱えられた。

6月29日にホーチミン市で開催されたこの会議には、80人を超える業界有識者や 企業経営幹部が顔をそろえた。急速に進化する今日のビジネス環境において、データがもたらす変革の力と、そのために必要な情報主導型企業文化について議論が交わされた。

Microsoftタイ・ベトナムCFOの村上健志氏は、同社の情報主導型の企業文化は、情報化以前からすでに構築されていたことを明らかにした。また、同社は常に技術的な進歩に素早く対応しており、社内には知識習得が習慣化した文化が根付いているという。この社風があったからこそ、Microsoftは新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック時にもいち早く在宅勤務制度を導入することができたと解き明かす。

Bachy Soletanche VietnamのCFOであるLai Thi Thu Thao氏は、財務報告の効率化により、CFOはトレンドの分析や、リアルタイムデータに基づいた迅速な意思決定に注力することが可能になると、利点を挙げた。

また、TC Dataの創業者であるTin Dang氏は、財務・経理部門では一元管理された情報基盤が極めて重要であることを強く訴えた。同氏は、全部門が活用できる情報ソースの必要性を提言し、将来的に望ましい形として情報収集・管理の一元化を打ち出した。

またDang氏は「4D」モデルを紹介し、Dream(夢)、Define(定義)、Deliver(納品)、Data Culture(データ文化)という一連のプロセスについて言及した。こうした先進的な戦略により、ビジネスのデジタル変革の今後が築かれることになると考えられる。

Microsoftの村上氏は、データ主導型の企業文化を構築することが最大の課題であると指摘した。また、意思決定プロセスにおける整合性を確保するには、全部門にわたる主要業績評価指標に一貫性を持たせる必要があると呼びかけた。

在ベトナムの米国多国籍企業の代表者は、包括的なデジタル変革を実現するためには、適切なプラットフォームを選定することが喫緊の課題であることを提起した。また、社外のパートナー企業やコンサルティング企業に一任するのではなく、エンタープライズ・アーキテクチャー(EA)を十分に理解し、独自のソリューショ ンを構築することが必須であることも強調した。

もう一つの課題は、データの取り扱いについてである。同社は、Azure Synapse AnalyticsやChat Analyticsのようなデータ分析サービスも評価している。最適なプラットフォームを選択することにより、企業はデータを効率的に処理、分析、活用し、ビジネス上の意思決定に活用することが可能になる。

スマート・オートメーションもまた、主要な注目分野です。当社の場合、4~5人からなる小さなチームでこの機能を社内的に開発し、結果としてかなり効率的なプロセスを構築したことになります。

また、デジタル変革というパズルのような全体図においては、情報統合も中心的な役割を担う。全てのシステム構成間のシームレスかつ確実な連携により、スムーズで整合性ある業務遂行が可能となる。

同代表はさらに、セキュリティの重要性についても言及した。完璧なセキュリティ確保のためには、ファイアウォールとアンチウイルス・ソフトウェアの導入は外せないと見られ、システムの厳重なウイルス感染対策が何よりも肝心であるという。

最後に、コンティンジェンシー・プランニング(緊急時対応計画)。万が一の場合に備えて、包括的なバックアップ・ファイルを維持することを決して忘れてはならない。同代表が述べているように、大規模災害からの復旧能力は、あらゆるデジタル変革戦略における不変的な中核要素であることは間違いない。