State Capital Investment Corporation (SCIC国家資本投資公社)は、本年度88社の株式売却計画を発表した。

Vietnam Investment Review

SCICのビッグネームといえば、Saigon Beer-Alcohol-Beverage Corporation(Sabeco)だ。2020年8月、工業貿易省はSabecoの国有権をSCICに譲渡した。SCICへの売却総額は2.3兆ドン(1億ドル)以上で、Sabecoの資本金(チャーターキャピタル)の36%、2億3000万株以上を占めている。

2021年に売却されるその他の国有企業(SOE: state-owned enterprises)には、FPTBinh Minh PlasticsTien Phong PlasticVietnam National Textile and Garment GroupBao Viet Groupなど、さまざまな大手企業が含まれる。しかし、これらの企業の魅力は、今後の市場動向や売却価格、潜在投資家の投資機会の有無に左右される。

ベトナム財務省所管の企業財務部 (MoF: Corporate Finance Department)によると、今年の1~3月にSCICVietnam Rubber GroupViettel GroupVietnam Education Publishing HouseVietnam Posts and Telecommunications GroupThai Son Groupなど9企業、総額2,340億ドン(1,017万ドル)の売却を行い、2兆800億ドン(9,043万ドル)を得たと報じられている。

2020年末、SCICは7兆9,100億ドン(約3億4,390万ドル以上の収益と6兆2,300億ドン(約2億7,087万ドル)以上の税引後利益を達成し、それぞれ前年比21%、43.7%の増加を示した。その一方、今年は6兆4,900億ドン(2億8217万ドル)の収益と3兆3,000億ドン(1億4350万ドル)の税引後利益を目指し、2020年に比べそれぞれ18%と46%減となる。

ここ数年、SOEからの国の撤退や初の売却を推し進める取り組みが加速しているが、売却や株式化のペースは依然遅々として進まない。新型コロナウイルスをめぐる想定外の状況が、株式市場の健全性に打撃を与え、その他のグローバル市場要因と相まり、市場の乱高下を引き起こしている。この乱高下が、SOEからの売却計画の先行きに不透明感を与えているのだ。

この問題解決のため、財務省は首相に対し、国有企業再編加速を打ち出すよう提案する、と企業財務部のDang Quyet Tien部長は述べた。

また、同省は、国営企業の経営財政問題の管理、整理に加え、再編、株式化、売却について、各省庁、政策局、地方自治体との調整を続けていくという。