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石油市場に新たなプレーヤーが参入することで、企業や消費者にメリットをもたらすことになる。

経済学者Vu Vinh Phu. Photo: Le Nam

ベトナム国内のみならず、世界的に燃料価格が激しく変動する中、国内燃料市場の競争力を高めるために必要な措置とは何か?長年に渡る燃料輸入の独占状態の解消など、経済学者のVu Vinh Phu氏がハノイタイムズ紙に語った。

年初来、ベトナムの燃料価格が上昇傾向にあることについて、どのように見ているか?

今年1-6月の石油価格は前年同期比17%増と急騰し、食料品価格とともに消費者物価指数(CPI)を上げる主な要因となっています。燃料費がオペレーションコストの20-30%を占めるため、商品価格に直接影響することになるのです。

燃料価格が経済や人々の生活に与える影響は?

ベトナムは現在、原油をはじめとした燃料は輸入に依存しています。その結果、国内消費の70〜80%を賄う原油精製ができるにもかかわらず、グローバル市場での価格上昇が国内の小売価格を押し上げているのです。こうした状況下で重要なのは、産業貿易省と財務省の双方による、国内の主要石油販売会社の価格設定方針の監視を可能にすることです。

石油価格の上昇が商品市場価格の上昇につながるのではという懸念についてはどう思うか?

石油価格の上昇が生産コスト高につながるという可能性はあります。しかし、政府がコントロールできるのは、交通料金、電気料、水道料、郵便料金などの生活必需品の価格に限られています。それ以外は市場が決めることです。

現在、ベトナム最大手の石油販売企業Petrolimex社は、48%以上のシェアを占めているが、これについての考えは?

Petrolimex社が国内の燃料市場を支配していることは間違いありません。市場競争力をさらに高め、企業と消費者双方にとって透明性と公平性を図るためには、政府は他の企業の市場参入を認めるべきです。

現在、この分野の外国資本率は35%で設定されていますが、この市場に参入するには、石油の精製工程にPetrolimex傘下企業と協業することが求められることになります。

競争力のある石油市場にするためには、この状況を早急に改善する必要があると思います。

石油価格が消費者物価指数に及ぼす影響を抑えるために、当局はどのような措置をとるべきなのか?

石油販売業者は業務の透明性を高めるべきですが、その一方で、現在高水準にある石油価格に課せられる手数料や税金の削減を検討するのもよいでしょう。

例えば、昨年3月のE5燃料の小売価格は1リットルあたり11,950ドンでしたが、そのうちの63%にあたる7,550ドンは手数料や税金で占められていました。その手数料や税金を20〜30%削減すれば、燃料の小売価格は下がります。この動きは国家予算の収入減につながりますが、その代わり燃料の価格競争が生じ、それによるサービスや商品価格が低下します。その結果、国内外の経済競争力が上向くことにもなるのです。