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Savills Vietnamによると、ベトナムでは高齢者向けの「ケア付き住宅」の需要は高まっているものの、まだ市場がほとんど開拓されていないという。

ベトナムは2011年に「高齢化社会」に突入した。60歳以上の人口は2009年の8.6%から2019年には11%に増加し、そのほとんどが北部の地方居住者である。

「ドイモイ(刷新)政策」の実施以来、社会経済が大きく成長し、公共サービス、生活の質、平均寿命が大幅に改善された。

こうした成長は、人々の生活様式を変え、近代化、都市化、農村から都市への移住の増加をもたらした。その変化は、高齢者の生活環境にも影響を与えている。

ベトナムの統計局によると、一人暮らしや、夫婦だけの高齢者世帯は、2009年は18.3%であったが、2019年には27.8%に増加している。

ケア付き住宅の需要は、世界の多くの市場で高まっているが、供給が限られており、その需要は満たされていない。

ベトナムにある63の市・省のうち、高齢者向けの専門施設があるのはわずか32カ所に過ぎない。政府は2025年までに各市・省内に少なくとも1カ所に施設を設置することを目標としている。しかし、これはベトナムの高齢化人口の急増を反映した政策ではない。

ベトナムでは、民間の老人ホームが比較的高額なサービスを提供しており、1ヶ月の平均費用は1人部屋で約1,500万ドン(約663ドル)、2人部屋で約1,900万ドンである。しかし、入居費用が低めの施設でも、ほとんどのベトナム人には手が届かない。高齢者の世話は、ほとんどボランティアの介護士により自宅で行われている。

文化、規制、運営といった複雑な要因が絡み合ったベトナムの市場では、国際的に普及している介護付き住宅のソリューションでも、実用には適さない場合がある。ベトナムでは、老人ホームに対する偏見がまだ根強く残っているのだ。

高齢者の介護は家族がするべきという風潮が、老人ホームに入居させることを困難にしている。子供が親を面倒みないということに罪悪感を覚え、多くの人が躊躇してしまうのだ。

Savills VietnamのDeputy Managing Director、Troy Griffiths氏は、「ベトナムでは、高齢者介護ビジネスの背景で、テコの原理が複数働いています。」と述べている。

特に、保険が普及してきたことにより、資金調達モデルの選択肢が広がってきています。運営面では、医療訓練を受けた質の高いスタッフを確保することが難しいのが現状です。伝統的な家族モデルは急速に進化しており、確実にさまざまな変化が今後10年の間に起こるでしょう。

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