Vietnam Investment Review

ベトナムの電気自動車市場、各社から新モデル登場で、活況を呈する年へ

ベトナムの大手財閥Vingroup傘下、新興民間自動車メーカーVinFastは、昨年ベトナム初となるメイド・イン・ベトナムの電気自動車モデル「VF e34」を発売した。この新モデルの登場により、ベトナムでは内燃機関(ICE)搭載車から、ゼロエミッションで環境に優しい電気自動車への移行がいよいよ始まった。

それ以降、主要展示会でVF7、VF8、VF9といった新型電気自動車を発表し続け、2022年末までには内燃機関(ICE)を搭載した自動車の生産を終了すると公表している。この決定は、VinFastの電気自動車生産への意気込みをあらためて示すものと見られている。

VinFast以外の他のブランドも、2022年に国内市場へ電気自動車の新モデル投入を計画している。

Mercedes-BenzToyotaVolvoTeslaなどの海外の主要メーカーは、国内で電気自動車への移行を開始するために、生粋の電気自動車またはハイブリッド車のラインを発売、または導入する予定だ。

また、Mitsubishi VietnamPorsche Vietnamなどの外資系企業は、電気自動車の流通に対応するための充電ステーションの設置に乗り出している。

国と地方自治体は、増え続ける電気自動車の需要に対応するため、新規登録にかかる物品税と登録料を、初年度は減免の方向で変更することを決定した。

9人乗り以下の電気自動車に対する物品税が3月1日から3%に緩和され、以後5年間はそれが適用される。また、政令第10/2022/ND-CP号により、電気自動車の登録料が最初の3年間は免除される。

ブランド&コミュニケーションアカデミーであるSAGEのCEO、Nguyen Van Phuong氏は、今年は政府の政策、生産戦略、流通、顧客サービス、購買行動などの面で、国内の電気自動車市場にとって重要な転換期になると強調した。

「ベトナムは若年層が多く、ハイテクに強い関心を持っています。コスト面での制約を克服すれば、燃料電池車に代わり電気自動車に注力するメーカーは、ユーザーの快適性を高めることができます。」と、Phuong氏は語る。

今後3年間の同国の電気自動車市場について、ベトナム自動車工業会は、3つの発展段階を設けたロードマップを提案した。

これに伴い、2030年までに現地の自動車産業は、あらゆる車種を約100万台製造することを目指す。2030年から2040年にかけて、電気自動車が大幅に増加し、2040年には350万台の生産能力を持つようになるだろう。

そして、2040年から2050年にかけて、自動車産業は着実に発展し、2050年には、その生産能力は約450万台にまで達する。その後、電気自動車が主流となり、飽和状態を迎えると予想されている。

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