このほど、デジタル融資プラットフォームFunding Societiesが、新たに総額1億4,400万ドルを資金調達したことが明らかになった。それは、ソフトバンク・ビジョン・ファンドをはじめとしたその他複数のベンチャーキャピタル(VC)が主導する、シリーズC+の予定額を超えたことになる。

ベトナム最大のインターネット・テクノロジー企業、VNG Corporationは、Funding Societiesに2,250万ドルを投資した。また、Funding Societiesは、欧州、米国、アジアの機関投資家より、1億5,000万ドルの借入枠も獲得した。これは、2020年から2021年にかけてのシリーズCで調達した4,500万ドルに続くものだ。
Funding Societiesは、ASEAN4カ国・地域で事業登録しており、近々ベトナムで事業を開始する予定である。現在までに、東南アジアの中小・零細企業に対して総額21億ドル以上の融資を行っており、現在、その融資取引額は500万ドルを超える。
Funding Societiesは、今回の資金調達に成功したことで、東南アジアの中小企業向けデジタル・ファイナンスのマーケットリーダーとしてのポジションを確立していく。また、退職者も含めた従業員のストックオプション制度に対し、1,600万ドルを割り当てることも明らかにしている。共同創業者でありグループCEOのKelvin Teo氏は、設立の経緯や今後の抱負を次のように語った。
新たな株主の皆様も含め、これまで信頼を寄せてくれたことを光栄に思います。私たちは、中小企業の力になろうと、最大の問題である資金調達、中でも無担保融資の機会を提供するためにFunding Societiesを設立しました。しばしば、銀行を引き合いにされ誤解を受けますが、実際の役割は、銀行の預金、家族や友人、個人のクレジットカードにとって代わる存在といったところなのです。無担保融資には、ひとたび根気と集中力が欠けるとギャップが莫大となり、大きなリスクも伴います。しかし、未曾有の金融危機の中でも、AIによって信用状態が証明されました。東南アジアに深く浸透するネオバンキングとして、中小企業へ貢献することをこれからも追求していきます。
SoftBank Investment Advisersのマネージング・パートナーGreg Moon氏は、Funding Societiesの意義について次のように締め括った。
東南アジアの中小企業は、歴史的に制度金融へのアクセスが難しく、企業の成長発展のために、自己資金に頼らざるを得ないという状況にありました。Funding Societiesは、中小企業の業績指標など、AI主導のテクノロジーを利用することで独自のデータセットを構築しました。それは、従来よりも効果的な信用度の評価を可能にしたのです。そのお蔭で、より持続可能で低コストの資金調達へのアクセスが出来るようになり、同社は言わば、その橋渡し役ということになります。