VietnamNet

ベトナム政府の公共投資拡大により、長期的経済成長の条件が整ったことから、今年、ベトナムの株式市場は、さらなる躍進が期待されている。

そのため、今年は多くの投資家が景気回復を前提とした投資に踏み切っている。

HSBC Global Researchは、今年も含めた長期的なベトナム株式市場の見通しが明るいことから、ベトナム株価指数(現在、1,490.8ポイント)が2022年度中に1,850ポイントに達すると予想している。

HSBC Vietnamの証券サービス部部長、James Estaugh氏は、韓国取引所から提供されたトレードシステムが、年内新たに導入される予定であることを明らかにした。

「この新システム導入により、取引量は大幅に増加しても、システムの過密状態は解消されます。そればかりでなく、デイトレード、債権や株式販売、無議決権預託証券(NVDR)などの金融新商品を発売するために必要なインフラも提供します。それにより、新たな外国投資を呼び込むことが期待されています。」と同氏は新システムの導入メリットを強調した。

VinaCapitalのチーフエコノミストMichael Kokalari氏は、「Looking Ahead at 2022」と題したレポートで、ベトナム経済の強含みな要素と新型コロナウイルスが及ぼした影響からの回復で、様々な業界が利益を得ることになるだろうと分析する。Michael氏は、今年のベトナム株式市場の見通しを次のように述べた。

2021年に2.6%だったベトナムのGDP成長率が2022年には7~7.5%に急上昇すると予想していますが、さらにはそれを上回るかもしれません。ベトナム株価指数が、ドル換算で前年比37%上昇(ベトナムドン換算35.7%上昇)を示した昨年に続き、今年も大いに期待できるでしょう。

VinaCapitalの投資戦略は引き続き、一般消費財、金融、不動産、素材銘柄など、コロナ禍からの回復で景気が上昇する銘柄や業界を探すことに重点を置くことになるとMichael氏は言う。

ベトナムに長期的な成長をもたらした要因は、コロナ禍でも変わらないため、VinaCapitalも、引き続き、FDI流入により利益が上がるであろうインフラ開発、クリーンエネルギー、DX関連銘柄等の業界に注目している。

「ベトナム株価指数を占める割合が、30%の銀行業界、25%の不動産業界等に特に注目していますが、3%でしかない一般消費財銘柄なども目が離せません。今年は追い風が吹くと思われます。」と、Michael氏は期待を寄せる。

銀行の収益は今年、貸し出し残高が14%上昇したことから、約3割増加し、ベトナム国内の銀行は新型コロナウイルスの影響は少ないとみられる。

昨年、5割以上減少した不動産業界では、デベロッパーによる新築住宅やプレセール物件の販売が倍近くに増加することで、不動産会社の収益は25%近くアップするとの見通しである。

不動産業界のインフレ率などを除いたベトナムの実質小売売上高の成長率は、コロナ前の年間水準8~9%に対し、今年は、昨年の6.2%減から5%増に転じるというVinaCapitalの予想をMichael氏は示した。

KIS Securities VietnamのシニアディレクターTruong Hien Phuong氏は、銀行、証券、石油・ガスなどの業界が今年も引き続き主要な投資先になるだろうと述べている。さらに、建設業界などでは、ベトナム政府のインフラなど、政府の公共投資を促す政策により、利益がもたらされると予測している。