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トナム機械企業協会(VAMI)によると、2030年の国内機械市場の総需要は約3,000億米ドルに達すると予測されている。

機械産業は、他の分野が発展するための原動力として機能

現在、ベトナムの機械産業は、国内の機械製品需要の約3分の1を満たすに過ぎないと、同協会は述べる。

火力・水力発電、化学、鉱業、鉱物処理などの産業プロジェクトに必要な機械設備は金額に換算すると約1,200億ドルに相当する。南北高速鉄道システム建設用の機器・資材は約200億ドル、地下鉄などインフラは約100億ドル、自動車産業は約1,300億ドルとされる。

したがって、同協会によれば、ベトナムの機械産業の発展にはかなり実質的なコストが伴うことになるという。

現在、ベトナムは多くの貿易協定に調印しており、多国籍企業は合弁パートナーを見つけてベトナムに生産工場を設置するために事業拡大を図っている。

サプライチェーンの移動という流れは、機械工学業界を含む多くの企業にとっても大きなチャンスと言える。

ベトナム首相も、2025年までに同国の機械工学産業を発展させるための戦略を承認している。

この戦略の全体目標は、2035年までにベトナムの機械工学産業を発展させ、主要分野に高度な技術を行き渡らせることで、製品品質を国際標準に適合させることにある。同時に、国内の機械工学製品をグローバルバリューチェーンにさらに組み込ませることも目指す。

また、この産業は有能な労働力を有し、国内市場のニーズを満たす機械製品の研究、設計、製造を積極的に展開することになる。

機械工学研究所トレーニングセンター(The Institute of Mechanical Engineering’s Training Centre)のディレクター、Le Thu Quy氏によると、国内の機械工学産業を発展させるために、ベトナムは市場の需要とこの分野が競合となりうる領域を見極める必要があるという。

また、企業にとって有利な開発条件とは、政策や仕組みに柔軟性をもたせることである。生産拡大やローカライゼーションのために企業投資を奨励するようでなければならない。政府は、冶金工学とそれを支える産業の発展を注視して見守る必要がある。

経済専門家のVu Dinh Anh氏も、目標を達成するためには、機械工学産業の国内生産比率を上げ、その価値を高める政策が必要だと提言する。

Thaco Auto社の代表は、機械産業を発展させるために、同社は製品の研究開発から生産・供給までの近代的な技術プラットフォームとバリューチェーンの開発を推進してきたことに言及している。製品の品質を向上、コストを削減、競争上の優位性を生み出すことを同社が実現できたのはそれが重要な要素でもあるからだ。

VAMIのDao Phan Long会長は、国内の機械工学産業が注文を増やし、輸出チェーンに参加したいのであれば、海外パートナーの需要に応じてスペアパーツなど部品製造設備や技術を最新化する必要があると述べた。今後、機械工学産業は切削加工だけでなく、材料、金型、加工、製造の開発が必要となるため、企業は連携したグローバルバリューチェーンに深く踏み込むことを、余儀なくされるという。

また、産業通商部は、機械系企業を支えるため、ベトナム北部と南部の産業発展を後押しする両技術センターの運営効率を引き続き向上させるとしている。

この2つのセンターは、一部の機械系企業に対し、生産と経営管理のトレーニングや、国際基準に見合う技能向上を支援してきた。

また、トヨタ、三菱、キヤノンなどの在ベトナム多国籍企業と協力し、そうした企業のバリューチェーンに適した現地サプライヤーを探す手助けもしている。

さらに、同省は国内の機械工学分野の支援産業の開発を継続していく予定だ。同省工業局によると、ベトナムの加工・製造業企業の30%近くを占める約25,000社の機械系企業が操業していることから見ても、国内の機械工学産業は徐々にローカライゼーション比率を高めているということだ。

Quy氏によると、ベトナムの機械工学産業には、バイクとスペアパーツ、家庭用機械と工具、自動車と自動車部品という強力なサブセクターがある。この3つのサブセクターは、国内の機械工学産業の生産高の70%近くを占めている。

この産業は、ほぼすべてのタイプの乗用車とトラックの生産と組み立てを担ってきた。バイクの85〜95%は国内で生産され、国内外双方の需要を満たしている。代表的な自動車メーカーには、VinfastThanh CongThacoなどが名を連ねる。

しかし、Anh氏は、VinfastThanh CongThaco以外のよく知られた国内機械系企業は、競争力も弱く、低技術の設備しかない小規模企業であることを指摘する。また、製品の品質も低いわりに、価格も高く、輸入品に対抗できるような目ぼしい工業製品は見当たらない。

VAMIによると、経営、政策、企業自体の一連の制約弱点が、市場の求めに応えようとする機械産業の発展を、長年にわたり阻んでききたという。そのため、建設、輸送、灌漑工事、石油・ガス、海洋経済、造船、自動車・バイクなどの大型プロジェクトの大半は、主に外国直接投資企業が製造した機械製品や輸入に頼らざるを得なかったのだ。

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