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ベトナムの持続可能な発展支援へ向けて、同国の自然エネルギーや環境ベースのプロジェクトに日本の投資家が、さらなる資金投入に意欲を覗かせている。

Power Engineering Consulting JSC2、Son My Renewable Energy JSCと日本企業の株式会社イーレックスとの合弁会社、Hau Giang Bio Energy JSCは、メコンデルタのHau Giang省でのバイオマス発電所建設の承認手続きを完了させ、着工にとりかかることを心待ちにしている。また併せて、同社のリーダーやパートナー企業は、他の発電所への投資機会を探るために、約20都市・省のバイオマス資源も調査中である。

イーレックス社の代表取締役社長、本名均氏は2035年までに1,500メガワットのバイオマス発電を行い、同時に年間27,570キロトンのCO2を削減する計画を示した。また、日本以外のバイオマス発電所投資を視野にいれた最初の国がベトナムであることにも触れている。

同社はまた、日本への輸出を目的とした、総面積12,000ヘクタールのヒエ(稗)の栽培地も探している。同社の調査によると、Phu Yen省, Binh Thuan省, Ba Ria-Vung Tau省, そしてHau Giang省は、このイネ科植物に適した自然環境条件が整っているという。

ベトナムの再生可能エネルギー市場のポテンシャルは、より多くの日本企業から関心を集めている。昨年12月、丸紅の100%子会社であるMarubeni Green Power Vietnam Co., Ltd(以下、「MAGPOV社」)は、ベトナム味の素社との間で、MAGPOV社がベトナムの屋上太陽光発電システムを利用した電力の購入契約を締結した。

双日株式会社大阪ガス株式会社の合弁会社、双日大阪ガスエナジーは、昨年10月に株式会社Looopと共同で、新会社SOL Energyを設立した。同社の発表によれば、ベトナムの工業用・商業用顧客向けに屋上太陽光発電事業を開始することになっている。

SOL Energyは、双日が運営する南部Dong Nai省のLong Duc工業団地に、10メガワット以上の太陽光発電を供給できる屋上太陽光発電パネル設置を計画している。それにより、同工業団地全体で年間約5,800トンのCO2排出量の削減が見込まれる。

再生可能エネルギーや脱炭素プロジェクトへの投資拡大は、日本のトレンドとなりつつある。昨年9月から10月にかけて三菱総合研究所が実施した国際協力銀行主催の調査(今年3月発表)によると、調査対象企業のうち51社が、ベトナムで再生可能エネルギー事業への投資やエネルギーの安全性に関連した製品の製造を手がける計画があると回答した。

そのほか日本の30団体が、廃棄物の収集・リサイクル事業や環境関連の産業インフラ事業への投資へより期待を寄せている。

この流れの背景には、日本政府の後押しがある。政府は2021年7月、ベトナムを含むアジアの脱炭素化プロジェクトに対し再生可能エネルギーやガス火力発電への移行など100億ドルの資金援助を行い、エネルギー転換への支援を公約として掲げた。

ベトナム・日本の両政府は、環境と再生可能エネルギー、さらにグリーン経済開発の分野で二国間協力を強化してきた。

年に一度開催される日本・ベトナム環境政策対話では、グリーン成長戦略や低炭素社会、環境影響評価、排水や化学物質の管理など、幅広い分野で意見交換が行われている。

昨年11月にファム・ミン・チン首相が日本を公式訪問した際に共同声明を発表し、持続可能な開発のための環境・再生可能エネルギー分野において、日本からベトナムへの投資を促進する内容を盛り込んだ。

「2050年までにカーボンニュートラルを達成するため、持続可能な経済成長には温室効果ガスの排出削減も同時に伴う旨、また各国の事情を踏まえ、現実に即した移行への様々な道筋と不断の技術革新の重要性について両国首相の見解は一致した。」とその声明で述べられている。また、「アジア・エネルギー・トランジション・イニシアティブ(Asia Energy Transition Initiative)を通じて、ロードマップの策定を初めとしたベトナムのエネルギー転換を日本が全面的に支援することを岸田首相は表明し、チン首相はこれを歓迎した。」と伝えられた。

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