Nordic Startup News
「Crowddroning」とは、地球の隅々に放たれた数千機のドローンをドローンオペレーターが操作して、超高解像度の地球観測データを提供することを意味する。集められたデータは、数多ある人工衛星からのまだ充分に活用されていない情報を補足する。解像度の高いデータなので、どのサーバーにも瞬時に直接送信され、そのおかげで、クライアントは解析に注力できる。
「これまで100万枚以上の地球の画像が集まりました。ドローンで撮影したデータとしては前例のないものです。」とGLOBHE社CTOのRémy Ghalayini氏は胸を張る。
地球観測データの多目的利用を可能にするGLOBHEは、マラリアなどの病気から、森林破壊、サハラ砂漠の干ばつなどの対策として新たなソリューションをもたらす。
私たちのプラットフォームで活動するドローンオペレーターで、この業界が成り立っています。彼らはドローンの運用という点で、世界的なリーダーであり、ユニークなコンテンツを創り出しているのです。この局面を利用すれば、いざという時に実際に何か起きている現場で、問題解決に貢献できるのでは、という大きな可能性を見出しました。
同社は、高解像度のグローバルネットワーク、地理空間、3Dモデリングデータを提供することで、世界中のビジネスや研究をサポートしている。データの注文は、GLOBHEのブラウザアプリから思いのほか簡単に行うことができ、APIによる自動化により、すぐに解析可能なデータを受け取ることができる。
「人工衛星が提供するデータは解像度に限界がありますが、ドローンならより詳細なデータを提供することができます。現在、117カ国、6,325人のオペレーターが活動しています。」とGhalayini氏は同社のあらましを述べた。
GLOBHEは今や、Crowddroningプラットフォームに参加する世界中のドローンオーナーやオペレーターが収集した地球観測データのマーケットプレイスと化した。
「私たちが行ったクラウドソーシングとは、「世界のマッピングプロセスを “ドローンソーシング “した」と言い換えてもよいかもしれません。」とGhalayini氏は続けた。
Crowddroningに登録したドローンオペレーターには、所在地近くの有料飛行ライブが通知されるようになる。また、古いデータを販売することもできるため、企業や団体が興味のある場所の既存データを売ることもできる。つまり、Crowddroningとは、ローカルのドローンオペレーターに仕事を与え、クライアントがローカルリソースを利用して必要なデータを簡単に入手できる仕組みをサポートするものである。

グローバル展開ながら、拠点はスウェーデンに
Rémy Ghalayiniは、スウェーデンに拠点を置くことは自然で有益な選択と見ている。ストックホルムに加え、ゴットランド、ヨーテボリ、ルクセンブルグ、そしてアメリカにも社員は点在する。
私たちが活躍する場は地球全体ですが、拠点はスウェーデンにあります。スタートアップのキックスタートは、スウェーデンの奨励するスタートアップ環境と、同国のテック系スタートアップに提供される大規模なVC資金のおかげで、スムーズに行うことができています。
ビッグデータがさらに巨大化したとき、プラットフォーム運営者であるGLOBHEは、ステップを何段階か踏み、オペレーションを大きくスケールアップしなければならないことは明らかだ。
「世界中の何千機ものドローンから取得したビッグデータ全ての処理を自動化したSaaSプラットフォームを所有しています。フェーズごとにユーザーのニーズを確認し、新機能を企画し、できるだけ早く布陣を敷くのです。」とGhalayini氏は言う。
驚異的な目標と数字
GLOBHEは、Zayed Sustainability Prize2020という名誉ある賞も受賞した。賞金は、クラウドドローニング・プラットフォームの技術開発とアップデートに使われ、より高度な自動化とスケーリングが可能になる。その結果、GLOBHEチームはこの先起こりうる災害やアウトブレイクの予防と対策において、より迅速に行動することができるようになる。
同社は、2030年までに年間5,000万人の生活向上を目指すというミッションを掲げている。すでに昨年、Crowddroningは、190万人のマラリア感染と230万人の水質汚染のリスク軽減、120万人のクリーンエネルギーへのアクセス向上に貢献している。