Nordic Startup News

スウェーデンとウクライナは、長年にわたり緊密に技術交流を図ってきた。両国の連携を更に促進するため、スウェーデン大使館が経済界の協力を得て、スウェーデンウクライナビジネスフォーラム(Sweden-Ukraine Business Forum)は設立された。今年で第9回目を迎えた本フォーラムは、11月18日にストックホルムで開催され、関係省庁大臣、大手輸出企業のリーダー、テック系スタートアップ企業が集結した。

サステナビリティを目指すテクノロジーに着目

スウェーデンウクライナビジネスフォーラムの目的は、ネットワーキングとビジネスや政策について議論の場を提供することにある。スウェーデン企業は、何千にも上るウクライナの開発事業者をスウェーデンに関わるビジネスに携わらせることで、スウェーデン企業が求める、需要の高い人材との交流を図っている。

本年度のビジネスフォーラムでは、「Tech for Good(よりよい社会のためのテクノロジー)」がテーマに掲げられた。つまり、国連が掲げるSDGsの枠組みの中で、持続可能な発展をサポートする新たな協力形態と技術的ソリューションに焦点が当てられ議論されたのだ。サステナビリティ、教育、健康、男女共同参画、世界の繁栄における技術開発と目的志向のイノベーションが議題として提示された。駐ウクライナスウェーデン大使のTobias Thyberg氏は開催に先駆けて、本フォーラムの意義について語った。

スウェーデンは、持続可能な開発と社会的インパクトの創出においてパイオニア的存在です。2012年から毎年、スウェーデンウクライナビジネスフォーラムを開催し、スウェーデンのビジネス文化をメインに取り上げてきました。

両国から集まった参加者

政府機関からは、ウクライナのデジタルトランスフォーメーション省、イノベーション省、Vinnova、また、経済界からは、Ericsson社KryKarma社ElonroadTre社などが参加した。本フォーラムは、ストックホルムから生中継され、セミナーの終盤には、Antler社NasdaqInvest Stockholm社Sigma Software Labs社Ukraine Startup Fund社に選ばれた10社が、投資家や参加者に向けて自社プロダクトを売り込むチャンスが与えられた。

Sigma Software Group CEO兼 共同創業者のValery Krasovsky氏は、「スウェーデンは、イノベーションとサステナビリティに対して、常にユニークなビジョンを持っています。先進的な技術と様々な国に開かれたアプローチと視点により、今日的で、ひときわ活発化した経済を確立しました。今や、スウェーデンは生産性が高く、グローバル競争力を具えた国という評価を受けています。」とスウェーデンに対する印象を述べた。さらに、同氏は次のように続けた。

スウェーデンの発展した技術エコシステムからウクライナが学ぶべきことはたくさんあります。私たちSigma Software Groupが架け橋となり、両国の協力関係があるべき健全な形で拡大していることは嬉しい限りです。そしてなによりも、スウェーデンウクライナビジネスフォーラムの活動があってこその賜なのです。

スウェーデンウクライナビジネスフォーラムは、在スウェーデン大使館とSigma Software Groupが主催し、在スウェーデンウクライナ大使館エリクソン・ウクライナ社ビートルート欧州自由貿易連合ウクライナ輸出協会が後援している。スウェーデンウクライナビジネスフォーラムは、11月18日にストックホルムのEpicenterで開催された。参加費無料、会議の様子はオンラインでも配信された。