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2021年には3,400億ドルの商品が流通したグローバルサプライチェーン。その中で、ベトナムは重要な一角をなし、その存在感を増している。

とりわけコロナ禍において、商品サプライチェーンにおけるベトナムの立ち位置は、グローバル経済にますます影響を及ぼすようになってきている。昨年の新型コロナウイルス感染症の第4波発生時には、アメリカ、日本、ヨーロッパなどの多くの大企業は、ベトナム企業の生産停止が自社の商品供給体制に影響を与えるのではとの懸念を示していた。

ベトナムも含めた東南アジアのサプライチェーンの急速な回復を日本経済新聞は高く評価し、東南アジアが日本の自動車産業に与える影響が特に大きいことを明言している。事実、自動車用電気配線の4割はベトナムからの輸入に大きく依存しているのだ。

JICAベトナム事務所長の清水曉氏は、ベトナムの生産現場が停滞すれば、世界全体のサプライチェーンに混乱を及ぼし、ベトナムの投資誘致やビジネス受け入れ環境などの評価も低下する惧れがあると指摘した。JICAは、ベトナムのサプライチェーン強化のため、日本企業とベトナム企業の技術移転や連携強化に取り組んでいる。

ベトナム統計総局によると、年初からの2ヶ月で、ベトナムの商品総輸出高は前年同期比10.2%増の537億9,000万ドルを記録した。

世界銀行(WB)は、2022年2月版「ベトナム・マクロ経済アップデート」で、人口の73%を超えるというワクチン接種率の高さにより、ベトナムの主要な経済指標は今年の旧正月前にすべて手堅い伸びを示し、それは新型コロナウイルスからの回復の兆しの現れであると報告している。

ここ数十年の海外直接投資(FDI)誘致が成功したことにより、ベトナムは多くの分野で供給国としての地位を確立している。

昨年、ベトナムからの携帯電話や部品の輸出額は580億ドル近くに達し、コンピューターにおいては約510億ドルであった。フットウェアや繊維業界で600億ドル、木材、木製品で150億ドルを計上した。金額から察するに、こうした製品のグローバルサプライにおけるベトナムの力量と影響力は著しいものであることは間違いない。

在ベトナム米国商工会議所(AmCham Hanoi)専務理事のAdam Sitkoff氏は、アメリカの投資家がベトナム経済の変革と成長において重要な役割を果たしていることに言及した。

AmCham会員企業は、数十億米ドルの海外投資、数万人の直接雇用者、数十万人の間接雇用者を産み出しており、ベトナムの輸出促進と税収増加に大きく貢献している。

昨年、ベトナムと米国の2国間貿易の輸出入総額は1,110億ドルを超えた。米国は総輸出額の28.6%を占める962億9,000万ドルを記録し、2020年度比24.9%増を示し、ベトナムにとって最大の輸出市場となっている。

アメリカの大企業は、グローバルサプライチェーンにおけるベトナムが果たす役割の重要性を十分認識している。ベトナムがコロナ禍により大きな影響を受けた昨年8月、CoachGapHane BrandsNikeなど、米国のトップブランドCEO90人が、バイデン大統領にベトナムへのワクチン支援を強化するよう要請している。

Le Dang Doanh氏は最近開催されたセミナーの中で、EVFTAを含む自由貿易協定(FTA)により、国の貿易体制は多様化し、一定の市場に対する依存度を減らすことができると主張している。

CPTPP、EVFTA、UKVFTAや今年1月に発効した地域包括的経済連携(RCEP)など多くの新世代FTAを含めた締結済みの15FTAは、各国との貿易関係が深まっていることを象徴している。

新型コロナウイルスによるショックから立ち直り、2020年から2021年にかけて、ベトナムは依然として主要生産拠点としての位置づけを維持している。2020年に輸出7%増(2,826億ドル)、貿易黒字は190億ドル、2021年には各々19%増(3,360億ドル)、40億ドル近くを記録した。コロナ禍でのベトナムの成長は、生産の一部をベトナムにシフトするグローバル企業に長期的なアドバンテージをもたらすに違いない、と国際機関の多くは期待を寄せている。

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